サイエンス・イデア便り №62(2011年10月)

今月のテーマ : 音を聞くとは

10月になり秋らしい毎日となりました。日没が早くなり、気がつくとあたりは真っ暗になっています。すっかり秋になったのだなと感じている今日この頃です。

さて、今月のテーマは「音を聞く」です。音とは何なのかというところから始まって、音が振動であることを理解するためにいくつもの実験

を行いました。また、音をより良く聞くために、オルゴールを使った実験をしました。多くの子ども達はオルゴールの音は知っていても、オルゴールそのものをみることはないようです。(余談ですが、私は子供のころ、自分の壊れた(壊した?)オルゴールで原理を知っていたのですが) 実験をしながらも、興味はなぜオルゴールが動くのかに行ってしまいがちで、音の変化をまとめるのに時間がかかってしまいました。

今日は「音を聞く」の2回目で、私たちが「音を聞いていること」のしくみを実験や観察で確かめます。

耳によらない音の聞き方とは・・・帰宅したお子様にその答えを聞いてみて下さい。

 

あきらめないこと

先日、映画「はやぶさ」をみてきました。昨年、小惑星イトカワから無事帰還したことが話題になり、まだ記憶に新しいと思います。宇宙開発の分野は一見、派手そうに見え、日本の科学技術の結集した分野でもあるので、いくつかの困難や障害があったとしても、まずまず順調に進んでいたのだろうと考えてしまいます。しかし、今回、この映画をみて、改めて「はやぶさ」の地球への帰還は本当に多くの科学者、技術者の努力、忍耐があって成し遂げられたのだなと思いを新たにしました。

特に、地球に帰還する「はやぶさ」から通信が途絶えてしまい、どこにいるのかわからないという状況になり、もはやどうすることもできないのではと思われる状況になっても、毎日、毎日あらゆる周波数で通信を続ける技術者の姿は科学において「あきらめない」ことがいかに意味をもつのか、考えてしまいます。

今年の日本は東日本大震災や津波、台風による水害、そして原発事故とあまりにも困難なことが多いので、このあきらめないことがやがて大きな成果につながるというこの映画のメッセージはすばらしいと思います。

ただ、私はそれだけではなく、現代の多くの日本人が忘れていた何かをこの映画は教えてくれたように感じました。成果だけ、結果だけが全てであるのが実社会であり、そのことは否定できません。だから、成果だけにむかって、ひた走る、少しでもダメとなると、あっさりと目標変更、これが多く見られるのが現在の日本社会です。

でも、ビジョンを持つ、目標を持つ、そしてその目標に向かって地道でもコツコツと努力すること、あきらめない強い心を持つことの大事さを、私たちは子供たちに伝えなければなりません。そのことこそが、これからの日本を背負って立つ子供達への大事なメッセージだと思われました。

来月(11月)のプログラムについて

テーマは「電気を考える」す。日常生活に欠かすことのできない電気について、実験しながら考えてみましょう。

 

バックナンバー