サイエンス・イデア便り№55(2011年3月)

今月のテーマ : 砂糖の科学

この学年も最後の月を迎えました。新たな学年も、もうすぐです。春休み、少しゆっくり休んで、新たな学年に備えたいものです。

さて、今月は砂糖がテーマです。砂糖=甘いという常識(?)を越え、砂糖にも種類によって味に違いがあることを子ども達は理解できたでしょうか。

今月2回目の教室では、砂糖を使って「わたがし」と「キャラメル」作りをします。砂糖にはいろいろな機能がありますが、どの機能が使われているのか、調べながら、これらのお菓子作りをしたいと思っています。

自然の力

311日に起こった「東北関東大震災」、あまりの被害にただ呆然とするばかりです。テレビで見る映像はあまりに衝撃的で、まるで映画を見ているようであり、この災害が自分たちの国で起こったことすら、信じられないようにも思えます。

「地震」そしてそれによって引き起こされる「津波」、その脅威を知識として十分に知っているつもりでしたが、自然の脅威はそのような知識の枠をはるかに超えるものでした。

科学の進展は地震そのもののメカニズムを解析することはできるようになり、ある程度の地震の予知は可能となりました。近いうちに「△△地震が起きる確率は○○パーセントだ」という表現は新聞やテレビでみかけます。でもこの近いうちとは数日内か数週間内か数ヶ月内か、あるいは数年内なのか、この点をはっきりと予知することができないのです。

災害に備えるということはだれしもが心にとめています。災害用品を備えたり、避難訓練をしたり、私たちは備えをしていると思いがちです。この点に大きな危険性があることを認識しておかなければなりません。それは私たちが自然災害を自分たちの体験したレベルであるいは、見たり、聞いたり、文献的に知ったりしたレベルで捉えてしまっていることです。自然災害を私たちの知識レベルの枠内に矮小化していないか、問うておく必要があるということです。

「想定のレベル以上であった」この言葉は災害の後によく聞かれるものですが、今回の大震災はだれしもが「想定のレベル」をはるかに超えていたのではないでしょうか。科学の進展は過去と比較すれば、多くの自然の脅威から私たちを救ってきました。しかし、自然の脅威はまだまだ私たちの力の及ぶものではないということも事実であり、このことに私たちは真摯でなければなりません。そして次の世代に自然の脅威をしっかりと伝え、その脅威の前には人間はまだまだ力が及ばないのだということを語らなければなりません。

今回の大震災の被害の全容はまだ判っていません。全てを知ることは恐ろしいようにも思えます。でもその事実から決して目をそらすことなく、「大災害」ということが明日にでも自分たちの身の上におこることなのだということを改めて認識しておく必要があります。

ただ、今は被災された方々の少しでも早い救済と被災地の復興を祈るばかりです。

 

来月(4月)のプログラムについて

テーマは「紙を知る」す。薄くて、すぐに破れるのが紙ですが、ある使い方をすると・・・・・・・。いろいろな紙の性質を調べます。

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