サイエンスイデアだより №33(2009年5月)

今月のテーマ : 植物を知ろう

今月は種子の発芽を主に学習する予定で、4月末より準備しました。例年、ゴールデンウィークの頃からは、気温が安定するので、選択したテーマでしたが、気温の変動に泣かされました。お子様の受講日に合わせて、程よく、発芽した大豆や白インゲン、カイワレダイコンなどを準備したいのですが、暑いと「伸びすぎる」、「においがする」、寒いと「思うように発芽しない」と気温の乱高下に悩まされました。教室内はもやし栽培室みたいになっています。                                   

発芽に必要な条件と植物の成長に必要な条件は理解できたでしょうか。そして、植物の素晴らしい力、光合成について、理解の一歩を踏み出せたでしょうか。地球温暖化対策を行動に移すためにも、どうして植物を植えるとCO2が少なくなるのか、その理解をしてほしいなと願っています。

新型インフルエンザで考える

人間は有史以来、様々な感染症と闘い、多くの感染症を制圧してきました。19世紀から20世紀は感染症の原因を知り、それを制圧する様々な薬が開発されてきました。

消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、そして1940年代からのペニシリンはじめとする抗生物質の登場により、多くの人は「人類は感染症との戦いに勝利した」との誤った認識を持ったのです。しかし、残念なことに、人類は今だ、感染症の恐怖からは解放されてはいないのです。否、むしろ、抗生物質は耐性菌を生み、さらに新しい抗生物質を開発するというイタチゴッコであり、抗生物質の全く効かない細菌すら生んでしまったのです。そして細菌ではなくウィルスによって引き起こされる多くの病には絶対有効な手段を持てないでいるのです。

とりわけ、インフルエンザは周期的な流行を繰り返すだけでなく、ウィルスは変異を起こすという特技(?)を持ち、インフルエンザの有効な治療薬とされるタミフルにすら、抵抗性をもつインフルエンザ株があるのが実状です。そんな中で起こってしまったのが、今回の新型インフルエンザ拡大です。新型の名に恥じない(?)感染力だとその強さを突きつけられています。その証拠に、5月15日には十数名であった感染者が1週間で300名を超えてしまいました。ただ、現在の新型インフルエンザにはタミフル、リレンザが有効であり、今は過度に恐れる必要はないようです。でも、今回の流行が終息しても、今秋から今冬にかけての流行時にはインフルエンザウィルスは同じ顔で現れるでしょうか。残念ですが、今よりは強いタイプに変異するのではないでしょうか。薬が効かなくなる、あるいは予想したくないですが、強毒性を持つようになるとか。                             

そんなインフルエンザですが、その正体、実はインフルエンザウィルスの大きさは直径わずか1万分の1mmなのです。なんと小さい、こんな小さなものにと思うのですが、こんな小さなウィルスに対して、しっかり向き合っていかなければ、私たち人類が大きな損害を被ることになるのだということを決して忘れずに、今を過ごしたいなと思っています。

さて、高槻市では1週間の休校措置は解除されました。子供たちが、自由な活動を奪われるつらさに耐えるのも、1週間が限界かなという気がします。この休校措置で子供たちは自由に動けることのありがたさを少しは実感できたのではないでしょうか?

来月(6月)のプログラムについて

テーマは「音を科学する」です。いつも聞いている様々な音を科学的に知らべてみます。

 

夏休み体験プログラムのお知らせ

理科実験教室に興味はあるけれども、「少し遠くて通えない」あるいは「他のレッスンや塾があって時間がない」方へ

 

サイエンス・イデアでは夏休み体験プログラムを設定します。

比較的時間に余裕のある夏休みに、理科実験教室を体験しませんか。

7月より申し込みを受け付けます。

詳細は下の「お問い合わせ」をクリックしていただき、電話またはメールにて「夏休み体験プログラム希望」とお伝えください。

お電話、メールにて詳細の説明をさせていただきます。

内容は受講者の学年によって異なります。

体験プログラムは1時間程度で1回2,000円です。夏休み自由研究援助の御希望も承ります。ただし、テーマによっては材料費実費が必要になる場合もあります。

お気軽に御問い合わせください。

 

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