サイエンス・イデアだより №023(2008.7.22)

今月のテーマ : 海と砂浜

 

今月はどのクラスでも最初に「海って聞いて思い浮かべること」をみんなに発表してもらいました。一番多い答は「魚がいる」でした。海というとやはり魚を思い浮かべるのが日本人としては標準なのかもしれません。古来より日本人は魚を食べて、動物性たんぱく質を摂取してきました。日本は海に囲まれて、その恵みを私たちは受けてきていることを覚えておきたいものです。

 

最近のニュースでは漁船に使われる重油の高騰で、漁師の方々が苦労されていることが報じられています。私たちの食卓に上る魚も多くの方々の労苦によって、もたらされているのです。原油高が私たちの生活に多くの影響をもたらし、日本人が日本人らしく過ごすことができない、そんな日が来ないように、種々の対策がとられることを願ってやみません。

 

さて、8日は海流が起こる要因(塩分、水温など)を実験によって確かめました。(下写真参照)2回目の22日は砂浜について学習します。

 

採取場所の異なる砂で標本を作り、観察することで、その違いをさがします。そして、どうしてその違いがあるのかを考えます。その他、海に関する疑問について実験しながら確かめます。

 

子供たちは海についての興味が深まったでしょうか。

 

左が塩水、右が真水(横置き直後)。

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横置き 1分後。

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横置き 5分後

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海について思うこといろいろ

 

私自身の夏の思い出(楽しいもの)は、海についてが多く、特に子供の頃の思い出は海水浴しかありません。今のようにレジャー形態が多様でなかった1960年代は夏休みのビックイベントは海水浴でした。日頃、海を見る機会などほとんど無かったので、電車の窓から海が見えただけでワクワクする気分になったことをはっきりと覚えています。

 

海で泳ぐだけのことが、どうしてそんなに楽しいのか、考えてみれば不思議なことです。実は、私たちが母親の体内にいたとき、子宮内で羊水とよばれる液体に漂っていました。この羊水と海水の成分はかなり似ていることを多くの研究者が指摘しています。人間の潜在意識には母体回帰の願望があるそうですので、海へ行こうとする行動は理屈を超えた、人間の本能に基づく行動なのかもしれません。

 

結婚して、子供ができると夏休みの旅行はやっぱり海水浴でした。主人は海の近くで育ったので、もちろん海が好き、子供よりも私たち親が楽しむ海水浴だったのかもしれません。子育てのころは共働きの忙しい生活で、海に行っても浮き輪を使って泳いでいる娘たちを眺めながら、浜辺でもっぱらお昼寝をして、日頃の疲れを癒していました。

 

海辺で感じる風は本当に心地よく、このまま時間が止まってくれないかなと感じたりしました。私が海辺のお昼寝で大好きなもう一つは波の音、単調な音であるけれども、自然が奏でる音として、心休まるものではないでしょうか。

今年ももうすぐ夏休みです。子供たちの思い出づくりだけでなく、親にとっても心休まるひとときがあることを祈っています。

来月(8月)のプログラムについて

8月のテーマは「サイエンス・クッキング」です。
よく知られた食材を使って、実験と科学的な視点を含めたクッキングをします。もちろん、その後は試食です。いつもより開始を30分早くし、終了を30分遅くします。(4:30~6:30)
12日は信号機ホットケーキを作ります。市販のホットケーキミックスを使って、信号機のような赤、青、黄色のホットケーキができあがるのでしょうか。その他、即席乳酸飲料をつくります。
26日はゼリー作りをメインにします。ゼリーが固まるのはなぜか、どうしたら固まらなくなるのか、調べてみます。液体タワーも作ってみます。
両日とも、夕食は少なめでご準備ください。

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