サイエンスイデアだより №37(2009年9月)

今月のテーマ : バランスをとる

シルバーウィークも終わり、秋らしい日々になってきました。でも気になるのはインフルエンザのこと、秋は運動会や遠足など、行事も多い季節なのに、頭の痛い問題ですね。本当に頭痛がしたら、インフルエンザかも知れないので注意!

インフルエンザには感染しないのがベストですが、こればかりは思いどうりにはいかないものですね。出来る限りの予防をしつつ、秋の行事に取り組みたいものですね。

今月のテーマは「バランスをとる」です。日常的な言葉として使われていますが、科学的にバランスをとるとはどういうことでしょう。そして、バランスをとるとできることは・・・・

1回目は日用品「せんたくばさみ」を使っての実験をしました。「せんたくばさみ」の数、とめる角度、どこに挟むか、などなど、1個のせんたくばさみが不思議な変化をもたらす、そんな体験のできる実験でした。

2回目はバランスをとることの応用で「さおばかり」(写真下)を作ってみます。私たちの世代だと、子供のころにみたことがあるので、なつかしいなと思いますが、若い世代の方や子供たちにとってはな物ではないでしょうか。でも、持ち運べる秤の原型として、知ってほしいなと考えています。

          

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 答はいくつ

理数系の世界では答は一つだと思い込んでいる人は結構いるのではないでしょうか。始めて足し算を習った時、1+1=の答は2と学習しました。確かに、加減乗除の計算の世界では答は一つです。これが、私たちに良い意味でも、悪い意味でも、答は一つだと思わせる大きな要因になっているのではないでしょうか。

今月はせんたくばさみを使ってバランスをとる実験をいくつかしました。この実験では、せんたくばさみを使う数も、その使い方も様々なバリエーションがあります。答は決して一つではないのです。(ただし、バランスがとれる原理が変わっているわけではありません)特に、ハリガネを自由な形にまげて、わりばしの上でバランスをとるときによくわかりました。どうしてもうまくバランスがとれない時、支える場所を変えてみる、針金を曲げる角度を少し変えてみる、左右対称と考えずあえて非対称でバランスをとる、などなど・・・・・・

左右対称の場合(せんたくばさみは同数)   左右非対称の場合(左右でせんたくばさ

                                           みの数が違う)             

 

 

 

 

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 実は人生も、このハリガネを使ったバランスをとる実験と同じではないでしょうか。何度やってもうまくいかないとき、そして、ここ一番というときの失敗は絶望になりがちですが、決して答は一つではありません。ちょっとした物事の捉え方の違いが

思わぬ成功を導いてくれる、そんなこともあるんだということを感じさせてくれた今月の実験でした。

来月(10月)のプログラムについて

テーマは、「洗濯の科学」です。汚れがおちるのはなぜでしょう。洗濯を科学的にみてみます。

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