サイエンス・イデア便り №43(2010年3月)

今月のテーマ : タンパク質の科学

今月はタンパク質がテーマです。タンパク質は私たちの生命の基本でもあり、タンパク質なしでは生きてはいけません。子供たちにはそのことを記憶に留めてほしいと願っています。ではその大切なタンパク質は何からできているかというとアミノ酸からであり、アミノ酸をどのようにつなげるかということを決めているのがDNAと呼ばれる遺伝子です。アミノ酸やDNA,タンパク質の合成など、何となく遠い世界の言葉のように聞こえるかもしれませんが、すべて、私たちの体内で日々、起こっていることなのです。

それらの営みがあってこそ、私たちの生命が継続しているのであり、

私たちは皆、体内に極めて精密な生物科学工場を持っているといえるのではないでしょうか。子供たちが将来、生命科学の分野に興味を持った時に、今月のタンパク質実験を原点としてほしいというのも私の願いです。

大人の時間、子供の時間

先日、会社員時代の友人夫婦が子供をつれて、遊びに来てくれました。会社を退職して5年ぶりの再会でした。5年という月日は決して短くはないのですが、大人たちにとっては再会しても、それ程、違和感のない時間です。

けれども、友人の子供たちをみて、その成長に驚きました。当たり前のことなのですが、5年前にみた私の知っている子供たちの姿はそこには全くありません。5年という年月はそれほど、子供たちには成長という変化をもたらすのです。

子供のころ、一年はとても長く感じられたのではないでしょうか。20歳まではとても時間がかかったと思います。けれども、そこからは次第に加速しはじめ、最初は普通電車くらいだったものが急行、特急列車になり、2度目の成人式を迎えたあとは、超特急に乗っているような気分です。と、ここまで書いてふと考えてみました。時間の絶対的な長さは決して変わっていないのに、なぜ、年齢を重ねると一年を短いと感じるのか、また、短いと感じ始めたころから、成長することなく、もしかするとどんどん老化の道を走っているのか、どうでしょうか。

悲しいかな、大人にとって肉体の成長はなく、老化の道を走る他ないのですが、精神まで老化の道を走っていないでしょうか。子供と違い、大人はだれかが育ててくれるわけではありません。自ら、自分を育てる努力が必要なのです。

自分育てをしていく限り、精神の老化にはストップがかかるのではないでしょうか。

精神の成長はいくつになっても可能です。

そのことに気付いていけば、私たち大人の時間は少しだけ、子供の時間にもどれるのではないでしょうか。

今年もすでに3月、一年の4分の1が終わろうとしています。

今年の年末には今年は一年長かったと実感できる毎日を過ごしたいなというのが今月の願いです。

来月(4月)のプログラムについて

テーマは、「感覚を知ろう」です。私たちが持つ五感について調べてみます。

私たちは上手に五感を使えているのでしょうか。

 

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