サイエンス・イデア便り №47(2010年7月)

今月のテーマ : 夏休み自由研究準備

夏休みが始まりました。子ども達には待ち遠しい季節です。

この夏休みで頭の痛いのが、宿題。学校によって異なるのですが、概ね自由課題の宿題があるようです。そしてなぜか、これが自由研究という呼び名で扱われることが多いように思われます。自由研究ですから、自由に、もちろん理科にこだわることはないのですが、科学工作的な作品を希望される方が多いように見受けれるのですが・・・

今月はこの要望を少しだけかなえるプログラムです。

前回は重曹を使った葉脈標本作りでした。

今回は通りぬけられる壁「ブラックウォール」をつくります。

光の性質を少し理解して、作品作りをしています。

自由研究の参考になればと思っています。                       

待つということ、あきらめないこと

昨年の5月の母の日のプレゼントに2人の娘から、野いちごの栽培キットをもらい、早速、キットのかわいい容器に種まきして、育ててみました。しかし、種からの育てると思うように大きくはなりません。そのうち、夏の暑さがやってきて、どんどん弱っていくように見えました。

日頃、あまり丹精して植物を育てる方ではなく、どちらかというと水だけやって成り行き任せが多く、この野いちごも同じ運命をたどるかと思っていました(枯れて、消滅)

ついでの水やりだけを続けて、夏も終わり、秋のある日、枯れた鉢を整理しようと思って、野いちごの鉢をみると、小さな苗が育っていました。夏の暑さを耐えたようでした。でも、この後の冬はどうなるのだろうかと、大きめの鉢いくつかに植え替えて、様子をみることに・・・

冬の間はあまり成長せず、でも枯れるようにもなく、そのままの大きさでした。

4月ごろから少しずつ、大きくなり始めましたが、3月に買ったイチゴの苗が花を咲かせ、実をつけても、一向にその気配もなく、本当に野いちごなのかと疑っていました。

でも、6月の始め、この野いちごが花を咲かせているのに気がつきました。ふつうのイチゴよりは小ぶりな白い花でした。一年以上、待った花でした。娘たちにメールで写真を送ると、「忘れた。枯れてなかったとは」と妙に感心されました。このあとはどんどん花を咲かせ、7月になってからは実を食べています。

この野いちごを食べるたびに、待つことの大切さを思います。そして、待つとともにあきらめないこと、期待を持って育んでいくことの意味を教わっているように感じています。育てること、これは植物だけでなく、子育ても同じです。現代社会はスピードを求めがちです。すぐに結果をと思う人が多すぎます。育む努力をしつつ、決してあきらめないで待ち続けること、いつかどこかで必ず成果はあらわれてきます。

このことは、文字にするとやさしく思えますが、実際には待つことには葛藤が伴います。自分の期待どうりに進んでくれないという思いと折り合いをつけなければ、あきらめずに待つことはできません。

夏休み、何らかの成果を求めがちですが、待ってあげてください。お子様はいずれ大きな成果を出される時がきます。この夏の終わりでなくても、将来のどこかで。

待つことができるのは親だけの特権なのですから。

来月(8月)のプログラムについて

テーマは、サイエンスクッキング」です。科学的な視点や手法で料理をすると・・・。夏休み特別企画です。

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