サイエンスイデア便り(№87)2013年11月

今月のテーマ :燃焼の科学

突然の寒さ到来、地域によっては紅葉よりも、冬の訪れのニュースの方が早くなってしまいました。もしかすると、紅葉せずに落葉してしまう木もあるかもしれませんね。一方、フィリピンでは台風30号で甚大な被害が出ています。先月、伊豆大島を襲った台風など、きまぐれな自然の力に翻弄されているのが我々、人間かもしれません。

今月のテーマは燃焼です。これからの季節は乾燥注意報が発令される日も増え,火事への注意が必要な時期です。火は私たちの生活に欠くことのできないものです。子どもたちには、燃焼を科学的に知ることで、火事を含めて、火にまつわる事故を防ぐ知恵を身につけてほしいと願っています。

 

最近のお気に入り

先月の終わりごろに、以前より気になっていた「サンドピクチャー」を入手しました。

ごく薄い水槽の中に粒度、色、重さの異なる砂と液体が入っており、上下反転すると、まったく異なる模様が生まれます。(下写真参照)同じ模様は二度と現れることはありません。その違いと、模様が作られていく様が結構、気にいっており、最近、時々、上下反転させては眺めています。模様のでき方は全くの偶然であり、人為的な操作(ゆすってみたり、途中で、また、逆さにしたりなど)は有効ではありません。下左の写真の山の形がシャープで気に入ったので、もう一度と、何度か挑戦してみましたが、出来上がるのは右のような、なだらかな山が多いようです。

偶然が作り出す産物、自然の原則に基づいて作り出される美しさには勝てません。私たちは自然から実に多くのものを得ています。その中の一つに景観があり、人間の力では作り出せない、自然の作品がたくさんあります。今年、世界遺産に登録された富士山も山そのものは自然の産物そのものです。

自然が作り出すものの美しさには人間の力では勝つことはできませんが、一方で人間は多くの美しいものを作り出す努力もしてきました。絵画をはじめてする美術工芸品、あるいは自然の力も借りて作り出される多くの美もあります。今月のテーマである燃焼も、花火で使われて、数秒から数十秒で消えてしまう作品に人間の知恵が結集されています。その多くの花火には日本の自然現象の美が表現されているのです。

科学はともすれば、無機質的なものと思われ、美に無関心と思われがちですが、決してそうではありません。起こった事象をときには美しいと表現できるように、科学での感動を一つでも多く子供たちが体験することが私の願いです。

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来月(12月)のプログラムについて

テーマは光の実験&クリスマスキャンドル制作です。

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