サイエンス・イデア便り №82(2013年6月)

今月のテーマ :梅の科学

今年の梅雨は珍しく5月末に梅雨入り宣言がありましたが、6月前半にはまとまった雨もなく、夏の水不足が心配になってきましたが、19日ごろからの雨で少し梅雨らしくなってきました。さて、そんな梅雨の季節、「梅雨」の言葉にある文字「梅」が今月のテーマです。日本人の典型的な保存食品「梅干し」になる「梅」について調べてみました。前回持ち帰られた梅ジュース、飲まれましたか?味はいかがでしたか。

今日は梅干し作りに挑戦です。梅干しはクエン酸と適度な塩分が摂取できる食品です。熱中症予防に今年の夏は梅干しを上手に活用してみませんか。

 

梅干しの歴史

梅は中国が原産地であり、約1500年前に渡来したといわれていますが、近年、縄文時代の遺跡から梅の実の種が発見され、私たちが知る現在の梅のルーツは不明確なようです。

万葉集には梅の花を詠んだ歌がいくつもあります。このころの梅は花を観賞するものであったようで、文献的に梅干しが登場するのは平安時代中期、村上天皇が病気治療に梅干しと昆布を入れたお茶を用い、病気が治ったとのことです。このように、この頃の梅干しは上流社会で薬として用いられていたようです。

戦国時代になると梅干しは保存食品としてだけでなく、傷の消毒や戦場での食中毒、伝染病予防になくてはならないものとなりました。このため、梅干しは戦略物資の一つとなり、武将たちは梅の植林を奨励し、これが今日、梅の名所や梅干しの産地として残っています。

江戸時代になると、梅干しは庶民の食卓に上がるようになり、広く食されるようになりました。梅干しは長期の保存がきくため、明治時代以降も前線の兵士の携行食品となりました。また、明治初期のコレラの流行時にその殺菌力が認められたり、日清戦争において、梅肉エキスが伝染病治療に用いられたりして、梅の薬効を多くの人が知るようになりました。今も梅肉エキスをあるいは梅干しを作る過程で得られる白梅酢を薬として用いている方もおられると思いす。

梅干しに含まれるクエン酸は疲労回復にも効果があると言われており、これからの暑さに向かって適度の塩分、クエン酸補給に梅干しは最適な食品かもしれません。先人の知恵でもある梅干し、上手く活用したいものですね。

来月(7月)のプログラムについて

テーマは「夏休み自由研究準備」です。夏休みに取り組んでほしい科学工作をいくつか紹介します。

 

 

 

 

 

夏休み体験会のお知らせ

 

下記の日程で実施いたします。各回定員は4名です。(1,2名の増員は可)

7月29日(月) 13:30~14:30

7月29日(月) 15:30~16:30

7月30日(火) 13:30~14:30

7月30日(火) 15:30~16:30

7月31日(水) 13:30~14:30

7月31日(水) 15:30~16:30

8月 2日(金) 13:30~14:30

8月 2日(金) 15:30~16:30

8月 3日(土) 13:30~14:30

8月 3日(土) 15:30~16:30

テーマ

鏡の世界を知ろう(鏡を利用してできることは?

        ポリカミラーを使った科学工作もします

上記日程の他に、ご希望の日時がありましたら、お伝えください。可能な限り、対応させていただきます。

料金

1回一人1000円です。(親子参加可、この場合は実験はお子様のみです)

お申し込みはこのホームページのお問い合わせよりメールをいただくか、

下記番号にお電話ください。

TEL.072-693-5543

お申し込みをお待ちしています。

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