サイエンス・イデア便り №81(2013年5月)

今月のテーマ :力(ちから)・エネルギーを知ろう

今年の5月は気温の高低差が大きく、肌寒いなと感じたり、真夏のように暑いと感じたり、着るものに気を使う毎日です。すでに、全国各地で、真夏日を記録したというニュースを聞くと、今年も又、暑い夏になるのかなと思うと、ちょっとウンザリしますね。

そんな夏への予感がある今月のテーマは「力(ちから)とエネルギー」です。原発事故以降、エネルギーという言葉を聞かない日はないくらい、毎日、耳にする言葉です。科学でいうエネルギーの意味をまず知ってもらいたいというのが今月のねらいです。

                                       

懐かしいもの

新しい環境となった新学期開始から50日くらいが過ぎました。時々、夏のような暑さを感じる日もありますが、残念ながら、夏休みまではまだまだ。一年12ヵ月うち、祝祭日のないのは6月と8月だけ、ゴールデンウィークを終えると、夏休みまで、まとまった休みがないのです。休みがほしいと思っているのは小学生だけではないはず、カレンダーを見て、ため息をついている大人も多いはずです。

そんな疲れを感じる時にほっとできるもの、ありますか。ひとそれぞれ、いろいろなものがあげられるでしょうが、大人になると、子供の頃に見たもの、遊んだものに出会うと、懐かしさとともに何となく、ほっとするように感じるものなのです。

今月のエネルギーを考える教材で扱った「水飲み鳥」、昭和の戦後世代にとっては大変懐かしいものです。昭和40年代に「ピースバード(平和鳥)」とか「ハッピーバード」とか呼ばれ、多くの家庭にあったものです。子供の頃はなぜ動くのかということを考えたことはなかったのですが、そのゆっくりとして、でも止まらない動きに飽きもせず、ながめていた思い出があります。改めて、エネルギーを考える教材として、この「水飲み鳥」を扱ってみると、すばらしい発明であることに気付かされます。なぜ、動くかの説明は高校レベルの物理、化学の知識が必要とされますが、小学生でも、外観のシンプルさから、一見して電池やモーターのような動力がないことに気付く子がほとんどです。

「水飲み鳥」、教材として優れているだけなく、その形、動きをみていると落ち着くのです。シンプルな造りで、ゆっくりと繰り返される動き、そんなことで案外、ヒトって癒されるものなのですね。

今の子供たちも大人になってから再会したとき、癒されるようなものに出会っているでしょうか。

出会っていることを信じたいと思っています。                    index_img-1.jpg

 

来月(6月)のプログラムについて

テーマは「梅の科学」です。梅が腐らずに保存できる理由を調べてみたいと思っています。

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