サイエンス・イデア便り(№106)2015年6月

 

今月のテーマ:海について

雨の季節になりました。今年は5月に暑い日が多かったので、どうなることかと思いましたが、例年の気候となりました。ただし、6月上旬に沖縄地方は梅雨明けとなり、梅雨前線は北上、6月後半は大雨の心配もありそうです。毎年のことですが、私たちは、思いどうりにならない自然現象にふりまわされているのですね。

さて、今月のテーマは海です。前回は海流がおきる要因を実験で調べてみました。

今回は海と陸の境界:海岸についてです。そこにいる生き物や

砂浜について調べてみます。もし、夏休みに海に行かれるなら、参考にしてみてください。

(下写真は鹿児島県肝付町海岸です。半島の向こうが、内之浦宇宙空間観測所です。)

 

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日本の大きさ

先月末に南九州方面へ旅行に行ってきました。主人も私も、それぞれが20歳のころに行った場所に40数年ぶりに行くのが目的でした。仕事関係で行っていた九州は博多なら新幹線ですが、それ以外は飛行機だったので、今回初めて、九州新幹線で鹿児島まで行きました。鹿児島はすごく遠いところ(20歳のころ、夜行列車に乗って、12時間以上かかった?)との思い込みがあり、新幹線で新大阪―鹿児島間は3時間半あまりで行けるという体験で、今まで持っていた鹿児島までの距離感が払しょくされてしまいました。

時代劇でみる旅は、庶民はほとんど歩いてです。昔の人の健脚ぶりが推察されます。そのころの人たちはどのように感じていたのでしょうか。あまり庶民が日本の国全体を考えるということはなかったとしても、幕末に活躍した坂本竜馬は土佐―京都―江戸―長崎と移動しています。すごいバイタリティだと思います。

今回、40年前は列車で半日以上かかったところへ、3時間半で行けた体験に今さらながら、少し感動しました。日本の技術力を再認識する一方で日本の大きさについて考えさせられました。日本は大きいのか小さいのか、今月の海流の学習で世界地図や地球儀をみると日本は本当に小さい国です。でも、歩いてでは、北から南までの移動がたやすいわけではありません。では、何が日本の大きさを決めているのでしょうか。

面積や様々な測定値でわかる客観的かつ絶対的な数値であることは当然ですが、日本って大きいな(あるいは小さいな)と決めることの一つの要因は旅と呼ばれる人の移動ではないでしょうか。その移動で感じられる距離感が日本という国の大きさの実感へとつながっているのではないでしょうか。

南九州への旅の別の目的は、日本発のロケット発射が行われた内之浦の宇宙空間観測所の見学でした。はやぶさ1号、2号など、様々なロケットの旅だった場所を見ることができました。宇宙から見れば、地球は小さな惑星です。その中の日本はいかに小さいのか、でも太平洋に突き出て建つ、ロケット発射台を見て、地球は小さいとか、日本は小さいとかという思いは違うように感じました。ここから飛び立つということは果てしない大きさの宇宙への旅立ちです。大きく広がる太平洋や大空、そこには小さいという言葉はないのです。今回の体験のように、私たちは単純なことで物事の大小、良し悪しを決めていないでしょうか。いろいろな感じ方、捉え方で見ていきたいなとつくづく考えさせられました。

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来月のプログラムについて

7月のテーマは「夏休み自由研究準備」です。

あと1ヶ月で夏休みですね。自由研究の参考に、きっかけになることをやってみます。

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